祖母から受け継いだアート

京おりがみ(京都風折り紙)は前世紀を代表する折り紙作家のひとり、荒木京が創案した折り紙のスタイルです。
従来の立体的な折り紙とは異なり、折り紙で折った人物や植物などの要素を台紙に貼り付け、祇園祭、葵祭、金閣寺など、京都の風物詩を鮮やかに再現する独自の手法によって、まるで平安絵巻のように典雅な折り紙の絵画を織り上げます。
清水みのりの京おりがみ

荒木京の孫である清水みのりは3歳の時から祖母と共に紙を折り始め、すぐにこのアート、『折り紙』に夢中になりました。数年後、荒木京はこの世を去りますが、祖母の記憶と折り紙は彼女の心の中にずっと残っていました。長い年月を経て、祖母から受け継いだ技法で作品を作り始めた時、清水みのりの芸術的インスピレーションは再び花開きました。
祖母から遺された2冊の本『京おりがみ』と『四季を折る』の作風と折り方をベースとしながら、日本の古典文学の世界や四季の情緒を紙で表現する独自の試みに取り組んでおり、まるで和紙で描いた絵画のような、より独創的で幻想的な作品創りを目指しています。その幽寂閑雅な世界観は、折り紙と和紙のコラージュによって実現される独自の画法と共にイタリアとヨーロッパで高い評価を得ています。

荒木京

(1904-1984年)
略歴
1968年 折紙作家協会参加
1973年 8月 著書「京おりがみ」 出版
11月 岡崎芸術会館にておりがみ展を開催
1975年 11月 日本折紙協会理事
1976年 11月 NHKテレビに出演し京折り紙を紹介
2月 京都・丸善で折り紙の個展
1982年 9月 著書「四季を折る」 出版
11月 思文閣にて出版記念展を開催
1984年 3月14日 79歳で逝去